クロスオーバー

継承物語

 ふと気が付いた時には、彼はそこに立っていた。 どこかの部屋だろうか。そう高くない天井から吊り下がった、橙色の仄かな灯りに照らされる本棚。隙間なく並べられた本の数々は、背表紙を見る限り様々な言語で書かれている。だが、見知らぬ言葉であるという…