SEVEN

風と共に

※マヤの口調捏造 飛んでいく。風に乗って、光のような白い花びらが。「……おねーちゃん……っ」 最後の最後までその光を抱き締めていたマヤ。それらが完全になくなってしまっても、しばらくそのまま、彼女は動けずにいた。 アイシャがマヤの隣に屈んで、…

竜騎士と太刀

※名前出ませんがNPC竜騎士メインです 人間、誰にだって怖いものがあると思っている。何も怖くないと言ったって、一つくらいはあるだろう。いや、あるはずだ。 アルタゴの民を守る、誇り高き竜騎士である僕だってそうだ。そんな僕が怖い、苦手なもの――…

少女の回想

 少女――マヤ、という名を持つ彼女は、見知らぬ土地をひとりで彷徨っていた。「……うぅ……」 強い日差しと風が、容赦なく幼い彼女の体力を奪っていく。遠くに街が見えるが、あそこまで辿り着けるのかどうか――意識が霞んでいく中、マヤは気力を振り絞っ…

全てを捨てて、全てを捧ぐ

 鐘が鳴り、軍港から船が巡回に出て行く。非番の日でもここに来てしまうのは、もはや癖のようなものだ。宿舎を出た後は、自然とここへ向かっている。 ロムンと海賊への警戒を兼ねている、軍船での巡回――竜騎士団は今日も、守るべきものの為に在り続けてい…

空に届く花

※マヤの口調等、色々完全に捏造です 故郷よりも強く感じられる日差しは、午後になると更に眩しくなる。が、その陽光を反射する海原は美しく、つい足を止めて見入ってしまう。 空と海の青は混じりそうで混じらないまま、遠く彼方まで続いていた。「バルドゥ…

三人の、さいごの願い

※昨日イースワンライに投稿した小説を大幅に加筆修正したものになります(2.5倍くらいの長さになってしまいました) ああ、死とはこういうものなのか。 この世に生を受けてから二十九年、長いようで短いものだった、と思う。「サイアス……」 遠のく意…