草笛の奏
※2020/12/29のファルコムオンリーにて、PDF無配として置いていた小話です。「楽しい思い出はたくさんあるけど、何より、あなたに出会えたことが一番嬉しかった。本当に、心からそう思うの。あなたとは女神としてではなく、フィーナという一人の…
イースIX,アドフィー
風と共に
※マヤの口調捏造 飛んでいく。風に乗って、光のような白い花びらが。「……おねーちゃん……っ」 最後の最後までその光を抱き締めていたマヤ。それらが完全になくなってしまっても、しばらくそのまま、彼女は動けずにいた。 アイシャがマヤの隣に屈んで、…
イースSEVEN
竜騎士と太刀
※名前出ませんがNPC竜騎士メインです 人間、誰にだって怖いものがあると思っている。何も怖くないと言ったって、一つくらいはあるだろう。いや、あるはずだ。 アルタゴの民を守る、誇り高き竜騎士である僕だってそうだ。そんな僕が怖い、苦手なもの――…
イースSEVEN
少女の回想
少女――マヤ、という名を持つ彼女は、見知らぬ土地をひとりで彷徨っていた。「……うぅ……」 強い日差しと風が、容赦なく幼い彼女の体力を奪っていく。遠くに街が見えるが、あそこまで辿り着けるのかどうか――意識が霞んでいく中、マヤは気力を振り絞っ…
イースSEVEN
全てを捨てて、全てを捧ぐ
鐘が鳴り、軍港から船が巡回に出て行く。非番の日でもここに来てしまうのは、もはや癖のようなものだ。宿舎を出た後は、自然とここへ向かっている。 ロムンと海賊への警戒を兼ねている、軍船での巡回――竜騎士団は今日も、守るべきものの為に在り続けてい…
イースSEVEN
空に届く花
※マヤの口調等、色々完全に捏造です 故郷よりも強く感じられる日差しは、午後になると更に眩しくなる。が、その陽光を反射する海原は美しく、つい足を止めて見入ってしまう。 空と海の青は混じりそうで混じらないまま、遠く彼方まで続いていた。「バルドゥ…
イースIX,SEVEN
三人の、さいごの願い
※昨日イースワンライに投稿した小説を大幅に加筆修正したものになります(2.5倍くらいの長さになってしまいました) ああ、死とはこういうものなのか。 この世に生を受けてから二十九年、長いようで短いものだった、と思う。「サイアス……」 遠のく意…
イースSEVEN,サイティア
いのちが終わるその時に
【イースワンライ/お題:アドル・クリスティン+別れ】 相変わらず静まり返っているエルドゥークの街は、少し前に踏み入った時よりも崩壊が進んでいるように思えた。元々廃都ではあったものの、ヴェスヴィオ山の噴火の影響は決して少なくはなかったようだ。…
イースセルセタの樹海
Re:Count
『一緒に過ごせたこと……楽しかった』 別れの言葉は言わなかった。最期にそれが伝えられれば、十分だった。 体の感覚が消えて、少し経った後。意識はまだ残っているが、周りは何も見えない。何もない。あの監獄よりも暗く冷たい空間の中に、マリウスは一人…
イースIX
Re:Friend
※色々捏造。Ⅸの四年後くらいを想定 夜にもなれば冷え込む時期だとは思っていたが、星々が隠れてしまった灰色の空から雪がちらつき始めたのを見て、思わず苦笑する。「もうそんな季節になったんだな」 立場上、ロムンを流れ行く季節を意識していないわけで…
イースIX
剣の記憶
【イースワンライ/お題:戦闘シーン】 ※捏造有 薄暗い旧坑道の中に、魔物の鳴き声が響く。「邪魔をしないでくれ!」 迷いがない。彼の戦いを見ていて、素直にそう思った。 振るっているのは錆びた剣だが、得物の心もとなさは微塵も感じさせない。的確に…
イースIX
ピッカードの恩返し
【イースワンライ/お題:ピッカード】「あれ? こんなところにピッカードがいます」「本当だ、珍しいわね。脱走してきちゃったとか?」 つぶらな瞳に、丸々とした体を支える小さな足。それと、心を射抜かれる人も少なくはないという可愛らしい鳴き声。 ダ…
イースIX