ゼスティリア

アラウンド・ザ・ワールド

 それを見たのは、彼にとって随分と昔のようで、そうでもない。暦の上ではかなりの月日が流れていても、その三分の二以上は眠っていたのだから、当然だったが。 ふわふわと浮き上がるそれを見て、スレイは息を吐く。「ミクリオはさ」「ん?」「やめないの?…

君のいる夢、その彼方

※スレイ帰還ifエンド。但し設定がちょいちょい本編と異なるので(特にドラゴンの扱い)あくまでパラレルワールドとして見てください。※スレアリサルベージ本に寄稿させていただいた話。 その身に神を宿し立ちはだかった災禍の顕主が、眩いばかりに辺りを…

テイルズオブゼルダリア

・いきなり最終決戦。・ザビーダ=ナビィーダ。なのでちまい。・ヘルダルフ=ガノンダルフ。適役。・スレイ=時の導師。緑衣ではない。・アリーシャ=ゼルダ姫ポジ。ゼルダのテーマ→アリーシャのテーマで変換。・術技だいぶ盛ってる。・漫画版準拠なんだけど…

ヴァイオレット・アイ

 今立っている場所が夢である事は、すぐにわかった。現実に居るはずのない人物が、そこに居たからだ。「……彼は……」 向こうはまだ、こちらには気付いていないようだった。高原の草の上に腰を下ろし、ただぼんやりと、雲が流れる空を見上げている。風に吹…

ホワイト・バード

 風が吹く。 どこまでも澄んだ空気に満ちている。広がる雲海には先が見えず、描かれた青と白の境の線は時折混じりながら、遥か彼方まで続いている。――あ! 今、空をネコのような妖精が飛んで行きましたわ! ぼんやりと蒼穹を眺めていてふと過ぎったのは…

秒針速度

※もしイズチ組が寿命差のことを知っていたら、という話。フライング・捏造注意。 彼らがマビノギオ遺跡を探検し始めてから、どれくらいの月日が流れただろうか。何度も何度も足を運んで、くたくたになるまで歩き回って、そのたびに新しい発見をしては議論を…

白紙地図

 二人の中の世界地図は、ずっと白紙のままだった。 天族の杜から見る景色は、いつも変わらない。雲海に覆われた下界はほとんど見えず、どんな建物があるのかも、どんな生き物や植物が息づいているのかも、二人には分からない。「ミクリオはさ」 果てしなく…

小夜時雨

※ヴィヴィア水道遺跡は聖剣祭の後に訪れてる? とか相変わらず捏造多め。 スレイの背を見る事が多くなったのは、いつからだっただろうか。 憑魔を打ち倒すべく、スレイが儀礼剣を抜刀しようと柄に手を掛ける。その姿は、ミクリオには少し前とどこか違って…

箱庭青年

※現時点での情報から捏造しまくりなので矛盾が分かったら修正します。 どうしても書きたかった…… 彼は“外”を、知らなかった。 箱に囲まれた小さな世界の中の空を見て、遥か太古と現在を繋ぐ歴史に思いを馳せる。そんな日々が続いていた。 見渡す限り…